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2022.04.22–2022.06.10

「コスモスが咲いたら花束を作って誰か知らない人に渡してください。」

大久保分校スタートアップミュージアム〈つくりえ−TSUCULIE−〉第1回目の展示は、金子未弥による「コスモスが咲いたら花束を作って誰か知らない人に渡してください。」を行います。

金子は近年「記憶」から「都市」を描き出す作品を多く手掛けています。本展示を行うにあたり、金子は足利市に滞在し、大久保分校卒業生にインタビューを行い、語られた思い出をもとに、教室のなかに日時計を制作しました。日時計で影をつくるのは、玉入れのかご、竹馬、コンパス、楠の苗木、椅子、虫眼鏡など。これらは卒業生との対話のなかに登場した、多くが実際に分校で使われていたものです。

作品の一部、窓際に置かれた机の表面には、あるフレーズが刻まれています。このフレーズは分校近所の家に咲いていたコスモスを摘み取り、家人にプレゼントしたつもりが怒られてしまったという、ほろ苦いエピソードがもとになり、今回の展示タイトルにもなりました。

かつての在校生のなかに流れていた、分校で過ごしたそれぞれの時間が金子の作品でひとつのかたちで表されます。新しくミュージアムとして時を刻み始めた教室のなかで、さまざまな時間を感じていただけましたら幸いです。

作家:金子 未弥 KANEKO Miya

HP : https://www.miyakaneko.com/

Instagram : @kanekomiya